今日の一編：教訓

教訓      

美しい人よ
世の中にはたくさんの芸術がありますが
遺伝子が作り上げたあなたは
最高のオブジェに違いないのです

芳香が強く、紫とピンクの
花弁を持った神秘的な花があなたです

男たちの視線を浴びることも多く
自分が美しいということを小さいときから
否応無しにわかります

やがてくる老いは残酷に美しさを引き裂いてしまいます
不安になり、悲しくもなることでしょう
だから、ほんの少し、鈍感なほうがいいでしょう
あまり打ちひしがれずにいてください

昔から美しい人は絵になります
絵の中に閉じ込められるのは
息苦しいですが光栄なことです
裸のマヤは寒い冬でもにっこりと微笑んでいます

ときには男たちの臓物を
隠れてそっと食べ、ホルモンを蓄えます
そして、よく眠ってください
唇はいつも赤く、目を涙でうるませておく
それができれば
美しい人は成功します

コメント 2

詩　いいですね、
なかなかよくできてると
思いますね。美しい人の
ことがとっても神秘的に
書かれていて感心しましたよ
by かわせみ (2007-12-22 22:28) 

私にとって美しい人は調度品のように眺めるものです
触れることもなくただただ鑑賞します
これは嫉妬でもなくて賛美でもなく
同情と皮肉をこめたもので故にタイトルも
教訓としました
美しい人とは決して幸せではないでしょう
なぜなら常に美しくなくてはならないからです
by きよたん (2007-12-22 22:35)