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人間失格 [エッセイ]

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20日から映画公開されるということで
太宰治の作品「人間失格」を読んでいます

かつて太宰の全集を揃えていたのですが
その頃は彼の生き方に興味があり書簡集や解説などを
読むばかりで作品自体にのめり込むことはほとんどなかった
むしろ同じ戦後の無頼派でも坂口安吾や檀一雄が好きで読んでいたのですが
あらためてこの人間失格を読むとなかなか面白いものがあります
葉蔵という主人公 若いのですが早熟です

青春時代をとうに過ぎた私から見れば今ありがちな若者像という感じがしないでもありません
頭が良すぎることが少し違う感じですが人間なんて所詮この主人公のように
自分にいつも不安を持っているものではないでしょうか

仮面と自分の本性を楽しまずに苦しむのがこの主人公なのです
薬や女に溺れ自分から逃げようとすればするほど自分が許せなくなる
人間失格ではなく人間らしい人間そのもののような気もしてきます

どうだ オレのこの弱さはと自慢して自虐的かつナルシストぶりを発揮している
太宰の媚びた笑い顔が浮かぶようです

太宰の自叙伝のような作品とも言われていますがけっこう覚めて書かなければ
こう流暢には語れないのでは?
文章が流れるように読めてしまうのですね

映画が楽しみです!

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コメント 13

iruka

格闘しながら
壁を乗り越えていく
人とは どうあるべきか
思い出すのが
勝新太郎の 座等市
女好き
博打が好き
人間臭さが 好きです。
by iruka (2010-02-07 10:17) 

extraway

そうした過去の作家のことを思うと、現在の状況のことを思いますね。私の印象では、埋没的。という印象覚えるほどに、
こちらの関心に触れてくる人、皆無。というより、先ずは、こちら知りませんのでね。過去の作家たちも、将来の評価は分からないし。太宰は、別だろうと思いますけれどもね。
by extraway (2010-02-07 13:51) 

青の風画

人間の持っている根源的なものは
今も変わらないのかもしれません。
無頼派という言葉も今ではあまり
聴きません。そういう意味では
時代は変化しているのでしょうね。
by 青の風画 (2010-02-07 14:01) 

タックン

太宰が 今ブームと聞きました。
若い人には「人間失格」 どう映るのでしょうか。
>オレのこの弱さはと自慢して自虐的かつナルシストぶり・・・
そういう意味がわかるような気がします。
どんな映画になるのでしょうね。興味があります。
by タックン (2010-02-07 18:25) 

hoshinofune

太宰治の映画ヴィヨンの妻をみました
映画と小説はどのように違うのかなと
思って原作も読んでみましたが映画はかなり
忠実に作られていましたね 人間失格も楽しみです
きよたんさんは太宰の小説に詳しいですね
深層心理のような所まで見えているようなんですね
by hoshinofune (2010-02-07 20:08) 

saya

私も、もう一回『人間失格』読もうかな。
中学か高校生のときに読んだことがあるんですけど
なんとなくしか覚えていません。

映画、おもしろそうですよね!
私もちょっと興味あります!
by saya (2010-02-07 21:25) 

qooo

わかります!!!
私も高校生以来、太宰をひさしぶりに読んだのですが、
若い頃に読んだのとは違う感想を持ちました。
ダメな自分に酔ってるような、気がしたんですよね。
もう少し年月が経ったら、また、感想が変わるのかな?
そういう意味でも、名作と言われる作品は、
何度読んでも、面白いのですね。
by qooo (2010-02-08 15:42) 

chako

映画になった途端にガックリ来るものが多いですよね…
映画を観られたら、また感想を教えてください。
by chako (2010-02-08 22:51) 

ガマさん

おはようございます
本を読むのは好きですが
文芸作品が苦手で手が出ませんでしたが
「人間失格」いちど読んでみようかな。
by ガマさん (2010-02-09 10:02) 

ばん

昔はよく本は読んでいましたが生活に追われながらでは暇がなく・・・。
by ばん (2010-02-10 12:52) 

きよたん

irukaさん

座頭市と結びつけるとは面白いですね
今は人間臭さが敬遠される世の中になっている
ような
多いに悩みながら生きてゆきたいものです

extrawayさん

将来どう評価されるか
流行ではなく時代を超えた普遍性のある
作品かな
今の若い人たちは森鴎外とか田山花袋とか
知っているのかな

青の風画さん

戦後の文学ですね
背景があの時代ってかんじです
無頼派とか焼け跡派とか古いですよね


タックンさん

映画が楽しみです
昭和20年代が背景ですからレトロでしょうね
女優陣も4人ほど華を添えるみたいです

hoshinofuneさん

分かりやすいですね 
深層心理まで小説の中で正直に吐露しているのが特徴で。
一人称で語られている物が多いのでこれは作者自身?
と思わせます

sayaさん

一度読んだことがあっても忘れているものですよね
映画で観るのも新鮮かもしれません

qoooさん

年数たつと感想は変わりますね
今は主人公が未熟のような気もしてきて。
でも早熟だった人ですね 太宰は。
作家というのは早く大人になるのかも

chakoさん

作品読んでしまうと自分で映像を作ってしまって
いて 映画でがっくりということも多いですからね
感想を楽しみに!

ガマさん

最近 私も本を読んでいないんですが
たまには文芸作品もいいかなと

ばんさん

暇がないと読めませんよね
私も電車の中で読むくらいですね
電車が一番読めます
by きよたん (2010-02-11 20:43) 

広島ピアノ

コメント有難う御座います。
コルベ神父、ご存知だったんですね。
長崎に観光に行かれる方も中々コルベ神父ゆかりの地には足を運んで頂けないので、少し寂しいですね。
by 広島ピアノ (2010-02-12 10:23) 

きよたん

広島ピアノさん

コルベ神父は日本でもっと知られると
いいのですが。
子供たちにも知ってもらいたい人ですよ
ヨーロッパでは収容所の後なども記念館に
なって残されていて修学旅行などで子供たちが
訪れていますよね

by きよたん (2010-02-12 21:59) 

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