SSブログ

言葉と向き合う [詩]

土曜日 日本詩人クラブの新年会に参加しました。

少し時間があるので歩いてみると駒場東大前の商店街は閑散として。。。

詩人クラブ.JPG

東大で行われた新年会。
会場ではゲストによるのこぎりやホルンによる演奏もありました。

司会の方も含め皆さん詩人の方達です。

詩人クラブ1.JPG

詩人クラブ2.JPG

年配の方が多いのですが、何人かで2次会に流れ中原道夫さんを囲み
印象深い夜を過ごしました。
お年を伺うと年男で84才とのこと
横断歩道を走ったり。。。
スキーもなさるとのこと おどろきの84才でした。

帰宅後 調べてみたら中原さんは気骨のある詩人らしく
今度図書館で借りて読んでみようと思います
ネットで拾った一編を紹介いたします。

------------------------------------------------------------

星   
中原道夫


不思議なことに
(それは近頃、ほんとうに不思議なことだ)
猫が鼠を銜えて歩いていたのだ


もっと不思議なことに
(それは近頃、ほんとうに不思議なことだ)
若い男が電車の中で老婆に席を譲っていたのだ

夕方
もっともっと不思議なことに
(それは近頃、ほんとうに不思議なことだ)
若い娘が年老いた父親の手を曳いていたのだ

帰り道
さらにもっともっと不思議なことに
(いままで、こんなことがあっただろうか)
いつものぼくがいつものようでなく
花屋に寄って花を買ったのだ
しかも、可憐で清楚なフリージアを

その夜
それはどうしてなのか、不思議なことに
(ほんとうに、こんなことがあるのだろうか)
晩酌の安酒が大吟醸のように旨かった
それから、これも真実
いつも五月蠅い天井裏の鼠が静かだったのだ

それで
そう、そうなんだけれど
ほろ酔い気分で窓を開けたら

ほら、東京の空にも星が輝いていた

---------------------------------------------------------------
山之口貘さんにも雰囲気が似た詩です。
こんな詩は男性しか書けないかしら

今年は本気で言葉に向き合ってみようかと志を新たにしました。



nice!(10)  コメント(6) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 10

コメント 6

RobertCole

素敵な一編でした。ありがとうございます。
by RobertCole (2015-01-12 16:38) 

タックン

確かに男性にしか書けない詩に感じます。
いいですね〜
言葉と向き合う・・・私も原点に帰ってみたくなりました。
by タックン (2015-01-12 22:22) 

moz

ほつこりとさせてくれる良い詩ですね。
大吟醸に変わるのも心しだいなのかもしれませんね。お酒が美味しくなるとうれしいな 笑
のこぎりの演奏、テレビでヨーロッパの街角で演奏しているのを見ました。こちらも不思議な音色ですよね。 ^^
by moz (2015-01-14 06:17) 

きよたん

RobertColeさん

書けるようで書けない詩ですよね
日常に普通にあることも不思議に思えたりするのは
楽しいことがあった日でしょうか

タックンさん

言葉って面白いんですよね
むきあってみると不思議なことがいっぱい

mozさん

確かに心の持ちようでとても不思議に
見えてしまう
だからただのお酒も大吟醸に思える
美味しいと感じるのだと思います。
最後の一連がいいですよね
東京の星も格別です

by きよたん (2015-01-15 21:00) 

sakamono

私も「帰り道」からの展開に、とても感じ入るところがありました。
詩を書く方々は、言葉と格闘されているのですよね。
私も頑張ってみようと思います^^;。
by sakamono (2015-01-17 14:12) 

きよたん

sakamonoさんの詩を読んでみたいです。
私は最近詩を書いていません
お互いに頑張りましょうね
by きよたん (2015-01-17 21:18) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

温泉街の邸宅美術館ストーリー ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。